PEラインをリールに巻くとき、「下巻き」って何だろう?と思ったことはありませんか。
初心者の方にとっては、初めて聞く言葉かもしれません。でも、この下巻きを正しく理解しておくだけで、トラブルを減らせたり、コストを節約できたりするんです。
ここでは、PEラインの下巻きの基本から、必要な糸の量や太さ、具体的なやり方まで、わかりやすく解説していきます。
PEラインの下巻きとは?なぜ必要なの?
まずは、「下巻き」が何なのかを簡単に説明します。
PEラインの「下巻き」とは、リールのスプール(ラインを巻く金属の部分)にメインのPEラインを巻く前に、あらかじめ下に巻いておく糸のことです。
直接PEラインをスプールに巻いてもいいのでは?と思うかもしれません。でも、PEラインは表面が滑らかでとても滑りやすいという特徴があります。そのため、スプールに直接巻いてしまうと、魚がかかったときやキャストしたときに、ラインがスプールごと空回りしてしまう「ラインローター」というトラブルが起こりやすくなるんです。
下巻きには、大きく分けて2つの役割があります。
1つ目は、スプールとラインの間の滑りを防ぐこと。下巻きの上からPEラインを巻くことで、PEライン自体がスプールに密着しやすくなり、空回りを防げます。
2つ目は、コスト削減です。PEラインは高価なものが多いので、スプールの奥まで全部PEラインで埋めてしまうと、それだけで結構な出費になります。スプールの底の部分を安価な下巻き用の糸で埋めることで、必要なPEラインの量を減らせます。
つまり、下巻きは「トラブル防止」と「経済的メリット」の両方を叶えてくれる、とても大切な準備作業なんです。
下巻きには何を使うべき?素材の選び方
下巻きに使う素材は、主に3つの選択肢があります。それぞれに特徴があるので、自分のスタイルに合ったものを選びましょう。
1. 安価なナイロンライン(最もポピュラー)
下巻きに使う素材として、一番多く選ばれているのがナイロンラインです。
メリット
- とても安価で入手しやすい
- PEラインとの結束(結び合わせる部分)が強度が出しやすい
- スプールに密着しやすい素材
デメリット
- ナイロンライン自体も経年劣化する
- PEラインほどスプールへの密着性は高くない(滑り止めテープほどではない)
向いている人
- コストを抑えたい初心者〜中級者
- 手持ちの余ったナイロンラインを活用したい人
向いていない人
- こまめにライン交換をするヘビーユーザー
ナイロンラインを使う場合は、メインのPEラインより少し太めのものを選ぶと、結束時にしっかりと締まりやすくなります。
2. 不要になったPEラインの使い回し(コストゼロ)
以前使っていたPEラインが余っているなら、それを下巻きに活用する方法もあります。
メリット
- 経済的。新しい糸を買う必要がない
- 同じ素材なので、結束時のなじみが良い
デメリット
- 劣化したPEラインを使うと、結束部が切れやすくなるリスクがある
- 色あせや摩耗が激しいものは強度が落ちている
向いている人
- こまめにPEラインを交換する人
- エコ志向の人
向いていない人
- トラブルを極限まで避けたい人
- 劣化したラインの見極めに自信がない人
もし使い回しをするなら、ラインに擦り切れや著しい色落ちがないかをしっかり確認してから使いましょう。
3. 滑り止めテープ(最も確実な方法)
最近では、メーカーから滑り止め用の専用テープも販売されています。
メリット
- 下巻き糸が不要で、スプールの有効径を変えずに済む
- PEラインの滑りを完全に防止できる
- 作業がとても簡単
デメリット
- 下巻きによるコスト削減効果は得られない
- 貼り付けにシワができると失敗する
- 下巻き用の糸よりは高価
向いている人
- 時短を重視する人
- 高額なリールを使用している人
向いていない人
- コストを最優先する人
- テープの貼り付けに自信がない人
特に高級リールを使っている場合や、確実にトラブルを防ぎたい場合は、この滑り止めテープがおすすめです。
【参考情報】昔ながらの方法として、綿糸に木工用ボンドを染み込ませる方法もありますが、現在はほとんど推奨されていません。仕上がりが不均一になりやすく、スプールを傷めるリスクもあるため、ここでは紹介しません。
下巻きに必要な糸の量(何m巻けばいい?)
次に気になるのが、「下巻きはどのくらいの量を巻けばいいのか」という点です。
正解は、スプールのエッジ(縁)から1〜2mmほど下がった位置に、メインのPEラインの表面がくるように調整することです。
具体的には、以下の手順で量を決めると失敗が少ないです。
ステップ1: メインのPEラインをスプールに巻きたい量を決める(例:150m)
ステップ2: そのPEラインをスプールに巻いたときに、スプールの縁から1〜2mm下がる位置を目安に、下巻きを巻く
ステップ3: 下巻きを巻いたら、実際にPEラインを巻いてみて、縁の位置を確認する
もし下巻きの量が多すぎると、PEラインがスプールからはみ出してしまい、キャスト時にトラブルが起きやすくなります。逆に少なすぎると、PEラインが足りなくなったり、スプールの奥までラインが行き渡らずに飛距離が落ちたりします。
なお、スプールの形状(溝があるタイプかどうか)によっても、最適な下巻き量は変わることがあります。初めてのリールの場合は、一度試し巻きをしてから調整するのが確実です。
下巻きの正しいやり方
ここからは、実際に下巻きをする手順を説明します。
Step 1: 下巻き用の糸をスプールに巻く
まず、下巻き用に用意したナイロンラインや不要なPEラインを、スプールに直接巻いていきます。このとき、糸がスプールに対して均等に、かつしっかりと張りながら巻くのがポイントです。
Step 2: 下巻きとメインのPEラインを結束する
下巻きを必要な量まで巻いたら、メインのPEラインと結束します。この結束部分が弱いと、せっかくの下巻きが意味をなさなくなってしまうので、しっかりとしたノット(結び方)を選びましょう。
一般的によく使われるのは、ユニノットやFGノットです。特にFGノットは強度が高く、PEライン同士の結束に向いていると言われています。
Step 3: PEラインを本巻きする
結束ができたら、そのままメインのPEラインをスプールに巻いていきます。先ほども触れた通り、スプールの縁から1〜2mm下がった位置になるように、適度なテンションをかけながら巻きましょう。
Step 4: 結束部の強度を確認する
最後に、結束部を軽く引っ張って強度を確認します。引っ張ったときにずれたり、切れたりしなければ、下巻きは完了です。
下巻きに関するよくある質問
ここでは、下巻きに関して初心者の方が特に疑問に思いがちな点をまとめました。
Q. 下巻きは必ず必要ですか?
必ずしも必須というわけではありません。しかし、PEラインの特性を考えると、トラブル防止のために行うことをおすすめします。特に、PEラインを使い始めたばかりの初心者の方は、ラインローターのトラブルに遭遇しやすいので、下巻きをするか、滑り止めテープを使うと安心です。
Q. 下巻きに使うナイロンラインの太さは?
メインのPEラインより1〜2号ほど太いナイロンラインがおすすめです。例えば、PEラインが1号なら、ナイロンラインは2〜3号程度を選ぶと、結束時にしっかりと締まります。
Q. 下巻きなしでダイレクトにPEラインを巻くとどうなりますか?
PEラインがスプール上で滑り、ラインローターが発生するリスクが高まります。特に、大物がかかったときや、フルキャストした瞬間にガイドにラインが絡むなどのトラブルにつながることがあります。
Q. 下巻きの結束部が切れました。なぜですか?
結束部のノットが甘いか、使用した下巻き用の糸が劣化している可能性があります。結束時には必ずノットをしっかりと締め、余分な糸を適切にカットしましょう。また、使い回しのPEラインを使う場合は、特に劣化に注意が必要です。
まとめ
PEラインの下巻きは、以下のポイントを押さえておけば大丈夫です。
- 下巻きの目的は、トラブル防止とコスト削減
- 素材は安価なナイロンラインが無難。または不要なPEラインの使い回しも可
- 確実に滑りを防ぎたいなら、滑り止めテープも選択肢のひとつ
- 下巻きの量は、スプールの縁から1〜2mm下がる位置が目安
- 結束はユニノットやFGノットでしっかりと
下巻きは、最初のうちは少し面倒に感じるかもしれません。でも、このひと手間をかけておくだけで、釣り場でのトラブルがグッと減り、PEラインの性能を最大限に引き出せるようになります。
ぜひ、今回の内容を参考に、自分に合った下巻き方法を見つけてみてください。正しい準備が、より快適な釣りライフにつながるはずです。

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