シーバスゲームに欠かせないPEライン。でも、最近「9本撚り」の新モデルが出てきて、「今まで8本撚りを選んでおけば間違いなかったけど、9本撚りって何が違うの?」と迷っている方も多いんじゃないでしょうか。
結論から言います。「8本撚りと9本撚り、どちらが優れているか」ではなく、あなたの釣り方やフィールドで選ぶものです。具体的には、しなやかさが求められるドリフトゲームや春のバチ抜けなら8本撚り。遠投やバイブレーションの操作感、ボトム感知を重視するなら9本撚りがマッチします。
さらに、PEライン選びで見落としがちなのが「カラー」と「コーティング」の視点。実はこれらが釣果や快適さに大きく影響するんですが、多くの解説記事では表面的な説明しかされていません。この記事では、2025年に登場した最新の9本撚りラインの実力を、実際のインプレ情報やメーカースタッフの見解を交えながら、徹底的に掘り下げていきます。あなたにぴったりの一本が見つかるはずです。
そもそも「撚り数」が多いとなぜ良いの?シーバスPEラインの基本のおさらい
PEラインの「4本撚り」「8本撚り」というのは、極細のポリエチレン繊維を何本撚り合わせているかを示します。一般的に、撚り数が多いほどラインが真円に近づき、強度バランスや耐久性が向上すると言われています。
ただ、シーバスゲームにおいては「撚り数=性能」と単純に考えるのは危険です。なぜなら、撚り方や素材の違いによって、同じ8本撚りでもメーカーごとに「しなやかさ」や「張り」が大きく異なるから。そして何より、2025年に登場した9本撚り(X9)は、従来の8本撚り(X8)とは構造そのものが違うんです。
シーバスPEライン「X8」と「X9」の決定的な違い。構造から見る実釣性能
ここがこの記事の一番の山場です。多くの情報サイトでは「8本撚りより9本撚りの方が高性能」としか書かれていませんが、それでは選び方の参考になりません。実際にバリバスのスタッフは、X8とX9を以下のように明確に使い分けています(出典:釣り専門誌『つり人』2025年12月号)。
8本撚り(X8)は「横編み」構造。しなやかさが武器
まず、従来からある8本撚り(バリバスで言う「アバニ シーバス マックスパワー PE X8」)は、横編みと呼ばれる構造を採用。この構造の最大の特徴はしなやかさです。
- 伸度(伸び率):6〜8%(一般的なPEラインと同等)
- 得意なルアー:ミノー、シンペン、ワームなど、水流に乗せて自然に泳がせるタイプ
- 得意なフィールド:都市型河川や港湾、橋脚周りなどの小場所
- 得意なシーズン:春のバチ抜けシーズン。軽量ルアーをやわらかく操作したい時に真価を発揮
「しなやか」というのは、ルアーに余計な抵抗を与えず、ナチュラルなドリフトを作りやすいという意味です。特に春先のバチ抜けパターンで、小さなミノーをゆっくり流すようなシチュエーションでは、このしなやかさが大きなアドバンテージになります。
9本撚り(X9)は「縦編み」構造。張りと低伸度が生む高感度
一方、2025年に登場した9本撚り(バリバス「アバニ シーバス マックスパワー PE X9」)は、縦編み構造。これがX8とはまったく別物の性能を生み出しています。
- 伸度(伸び率):約3%(X8の半分以下!)
- 得意なルアー:バイブレーション、メタルジグなど、巻きもの全般
- 得意なフィールド:大河川、サーフ、ハードボトムが広がるエリア
- 得意なシーズン:通年。特にデイゲームの遠投戦略で効果を発揮
この低伸度がもたらす最大のメリットは、ボトム感知能力の桁違いな向上です。バイブレーションを巻いている時に、リトリーブの手元に「ゴツゴツ」とした底の感触がクリアに伝わってきます。また、張りがあることでルアーをしっかりと操作でき、バイトがあった瞬間のアタリも弾かれずに伝わるため、フッキング率アップにも直結します。
X8とX9、結局どっちを選べばいいの?
ここで、もう一度この記事の結論を具体的にしましょう。
| 評価軸 | 8本撚り(X8・横編み) | 9本撚り(X9・縦編み) |
|---|---|---|
| しなやかさ | 高い(ソフトな操作感) | 低い(張りがある) |
| 伸度(伸び) | 6〜8% | 約3%(非常に低い) |
| 得意なルアー | ミノー・シンペン・ワーム(ドリフト) | バイブレーション・メタルジグ(巻きもの) |
| 得意なフィールド | 都市型河川・港湾・小場所 | 大河川・サーフ・ハードボトム |
| 得意なシーズン | 春(バチ抜け・軽量ルアー) | 通年(特にデイゲームの遠投戦略) |
| 感度(ボトム感知) | 普通 | 非常に高い |
| 飛距離性能 | 普通 | 高い |
「最近バイブレーションを使う機会が多い」「遠投してもっと広範囲を探りたい」という方は迷わずX9(9本撚り)。「春の港湾でミノーを中心にやっている」「しなやかな操作感が好き」という方はX8を選ぶと、きっと後悔しないはずです。
カラー選びも重要!視認性とステルス性のトレードオフ
ここからは、多くの解説記事が軽く流している「カラー選び」の深掘りです。PEラインのカラーは、釣り人の「見やすさ」と、魚への「バレにくさ」が常にトレードオフの関係にあります。
シーバスは視覚が非常に発達した魚です。特にクリアウォーターやプレッシャーの高いフィールドでは、ラインの色が警戒心を与える可能性があります。一方で、釣り人にとってはラインの動きを視認できないと、ドリフトのコントロールやアタリの察知が難しくなります。
カラー別の特徴とおすすめシチュエーション
以下の表は、複数の実釣インプレ情報(TSURI HACK長期インプレ、Anglers Start選び方ガイドなど)を基にまとめたものです。
| カラー | 釣り人からの視認性 | 魚へのバレにくさ | おすすめシチュエーション | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| ホワイト | 昼夜問わず高い | 普通 | ナイトゲーム全般、常夜灯下 | 白波(サラシ)の中では意外と見づらい |
| ステルスグレー | 夜間は低い | 非常に高い | スレたシーバスが多いプレッシャーフィールド | デイゲームでは視認性に課題が残る |
| ライムグリーン | 非常に高い | 低い(目立つ) | ドリフト管理を徹底したいデイゲーム | 魚に警戒される可能性あり |
| イエロー/ピンク | 夜間の常夜灯下で抜群 | 低い | 港湾ナイトゲームでのライン管理 | 日中は逆に見づらい場合がある |
ここで一番のポイントは、「見やすい=魚にバレる」というシンプルな図式が成り立つわけではないということ。例えばステルスグレーは魚にはバレにくいものの、夜間の釣り人からは見えにくいため、ラインの張り具合やカーブを読むのが難しくなります。逆にライムグリーンはよく見えるので、潮流の変化に合わせたドリフトコントロールがしやすい反面、警戒心の強いシーバスには嫌がられるリスクも。
私のおすすめは、まずはホワイトかイエローで「見やすさ」を優先すること。特にナイトゲームがメインの方は、ラインが見えないと話になりませんからね。その上で、どうしてもバイトが続かない時やプレッシャーの高いエリアに足を運ぶ時は、ステルスグレーを試してみる価値があります。
コーティングの有無。実はこれが「長持ち」を左右する
PEラインを選ぶ時、「コーティング加工」の有無も意外と盲点です。多くの製品は表面にフッ素コーティングなどを施し、飛距離アップや耐摩耗性向上を謳っています。
しかし、ここで知っておきたいのがコーティングラインとノンコーティングラインの寿命の違い。TSURI HACKの長期インプレ記事(2024年12月公開)によると、コーティングラインは初期性能が非常に高い反面、使い込むうちにコーティングが剥がれ落ちると急激に性能が低下します。具体的には、摩擦抵抗が増えたり、毛羽立ちが発生しやすくなったりするんです。
一方、東レの「シーバスPEパワーゲーム」のように、あえてノンコーティングを採用する製品もあります。ノンコーティングはコーティング剥がれによる劣化がないため、初期性能こそ控えめでも、長期にわたって安定した性能を維持できるという特徴があります。
この事実から言えるのは、「こまめにラインを巻き替える人=コーティングライン」「なるべく長く使い続けたい人=ノンコーティングライン」という選び方の軸が成立するということです。巻き替えサイクルは釣行頻度にもよりますが、目安として月に2〜3回以上釣行するアクティブなアングラーはコーティングラインの恩恵を受けやすく、月に1回程度の方はノンコーティングのコスパの良さを実感できるでしょう。
リーダー素材もセットで考えよう。フロロとナイロンの使い分け
PEラインだけ選んでも、リーダーとの相性を考えなければ意味がありません。こちらもバリバススタッフの解説(つり人 2025年12月号)を基に、整理してみます。
- フロロカーボン(沈む):シーバスPEラインのリーダーとして最も一般的。水に沈む性質を活かして、ルアーを水中に馴染ませやすい。特にミノーやバイブレーションなど、水中でしっかりレンジをキープしたい時に有効。
- ナイロン(浮く):比重が水より軽いため、ラインが水面に浮く性質があります。この性質を活かして、トップウォータープラグやペンシルベイトを操作する時に最適。フロロよりも伸びがあるので、トップゲームでのバラシ防止にも一役買います。
多くの解説では「フロロが基本」とだけ書かれていますが、トップウォーターゲームをメインにしている方はあえてナイロンを選ぶ選択肢も頭に入れておいて損はありません。
シーバスPEラインの選び方。購入前にチェックすべき3つのポイント
ここまで読んでいただいて、「じゃあ、自分は具体的に何を買えばいいの?」という疑問にお答えするために、購入前にチェックすべきポイントを3つに絞りました。
1. あなたのメインルアーは何か?
- ミノー・シンペン・ワームがメイン → しなやかな8本撚り(X8)がおすすめ
- バイブレーション・メタルジグがメイン → 張りのある9本撚り(X9)がおすすめ
2. どんなフィールドで使うか?
- 港湾・都市河川・橋脚周り → 8本撚りのしなやかさが生きる
- 大河川・サーフ・広大なシャロー → 9本撚りの遠投性能とボトム感知が武器になる
3. カラーとコーティングの優先順位は?
- とにかく見やすさ重視 → ホワイトまたはイエロー
- 魚への警戒心を下げたい → ステルスグレー
- 初期性能を優先 → コーティングライン
- 長く使い続けたい → ノンコーティングライン
この3つの質問に答えるだけで、あなたにぴったりのPEラインがかなり絞り込めるはずです。
シーバスPEラインおすすめ製品3選
最後に、ここまでの内容を踏まえて、特におすすめしたい製品を3つ紹介します。いずれも実績と最新の知見を兼ね備えた信頼できるモデルです。
1. バリバス アバニ シーバス マックスパワー PE X9
バリバス アバニ シーバス マックスパワー PE X9
最新の9本撚り(縦編み)構造を採用。伸度約3%という低伸度がもたらす高感度は、バイブレーションゲームやボトムコンタクトを重視するアングラーに革命的なフィーリングをもたらします。遠投性能も抜群で、大河川やサーフでの広範囲サーチに最適です。
2. バリバス アバニ シーバス マックスパワー PE X8
バリバス アバニ シーバス マックスパワー PE X8
しなやかさと扱いやすさを極めた8本撚りの定番モデル。ドリフトゲームや春のバチ抜けパターンで真価を発揮します。ミノーやワームをナチュラルに操作したい方には、今でもこれ以上ない選択肢です。
3. 東レ シーバスPEパワーゲーム
東レ シーバスPEパワーゲーム
あえてノンコーティングを採用した異色の存在。ホワイトカラーはナイトゲームでの視認性が非常に高く、コーティング剥がれによる性能劣化がないため、長期間使い続けたい方に強くおすすめします。他社製品より「太く感じる」という声もありますが、それは真円性が保たれている証拠で、品質の高さの裏返しです。
シーバスPEライン選びは「自分に合った一本」を見つける旅
PEラインは、ルアーやロッドと同じくらい、釣果に直結する重要なタックルです。でも、高性能なものが必ずしもあなたに合っているとは限りません。
この記事でお伝えしたかったのは、「8本撚り vs 9本撚り」の優劣をつけることではなく、あなたの釣りスタイルに合わせて最適な一本を選ぶためのヒントを提供することです。最新の9本撚りラインの登場で選択肢は広がりましたが、それだけに「何を基準に選べばいいか」がより明確になったとも言えます。
これからシーバスゲームを始める方も、すでに経験豊富な方も、ぜひこの機会に自分のタックルボックスを見直してみてください。きっと、新しい発見と釣果アップのチャンスが待っていますよ。

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