PEラインをリールに巻くとき、「下巻きにナイロンを使う」という話を聞いたことはありませんか?
「本当に必要なの?」「ナイロンじゃなきゃダメなの?」「どんな号数を選べばいいの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事ではPEラインの下巻きにナイロンを使う理由から、具体的なやり方、おすすめの号数や結び方までをわかりやすく解説します。これを読めば、正しい下巻きの知識が身につき、トラブルの少ない快適な釣りができるようになります。
PEラインの下巻きにナイロンを使う理由
PEラインをリールに巻く際にナイロンラインで下巻きをするのには、大きく分けて2つの目的があります。
滑り止めとしての役割
PEラインは表面が非常に滑らかで、摩擦係数が低いのが特徴です。そのため、PEラインだけをスプールに直接巻くと、大物とファイトした際やキャスト時にラインがスプール上で滑ってしまうことがあります。これを「ライン滑り」と呼びます。
ライン滑りが起こると、リールを巻いてもラインがスプールに噛み合わず空転したり、ドラグが効かなくなったりするトラブルにつながります。特にPEラインの場合はその滑りやすさが原因で、スプールに食い付かずに「スプールの上で滑る」状態になりやすいのです。
そこで、下巻きにナイロンラインを使うことで、ナイロンの持つ適度なザラつきが滑り止めの役割を果たし、PEラインがスプール上で滑るのを防ぐことができます。
糸巻き量の調整(嵩上げ)
もうひとつの目的は、スプールへの糸巻き量の調整です。
リールのスプールには、そのリールに最適なラインキャパシティ(糸巻き量)が設定されています。しかし、PEラインは細いため、必要な長さだけを巻こうとするとスプールのエッジ(フチ)までラインが届かず、キャスト時に飛距離が落ちてしまうことがあります。
そこで、あらかじめ安価なナイロンラインで下巻きをしておくことで、適正な巻き高さまでスプールを埋めることができます。これにより、飛距離の安定化や、必要な分だけのPEラインを無駄なく使用することが可能になります。
つまり、PEラインの下巻きにナイロンを使うのは、「滑り止め」と「嵩上げ」という2つの重要な役割を担っているのです。
PEラインの下巻きにはなぜナイロンが選ばれるのか
下巻きに使えるライン素材はナイロン以外にもフロロカーボンやPEライン自体もありますが、多くの釣り人がナイロンラインを選ぶのには理由があります。
コストパフォーマンスの高さ
下巻きはリールの奥に入ってしまう部分なので、見た目や性能にこだわる必要がほとんどありません。そのため、メインラインに比べて安価なナイロンラインを使うのが合理的です。ナイロンラインは1000m巻きでも1,000円前後から購入できる製品が多く、経済的です。
PEラインとの相性の良さ
ナイロンラインは表面に適度な摩擦があり、PEラインとの接触面でしっかりと食い付きを生みます。この特性が、ライン滑りを防ぐのに最適です。フロロカーボンよりも表面が柔らかく、PEラインをしっかりと保持する力があります。
軽さと操作性
ナイロンラインはフロロカーボンに比べて比重が軽いという特徴もあります。リールの総重量をできるだけ軽くしたい場合や、バランスを重視するタックルセッティングでは、この点もメリットになります。
下巻き用ナイロンラインの選び方と適正号数
ナイロンラインの号数はどう選ぶ?
下巻きに使うナイロンラインの号数は、メインのPEラインより1〜2号程度上の太さを選ぶのが一般的です。
例えば、メインのPEラインが1号なら、下巻きには2号〜3号のナイロンラインを選びます。太めのナイロンを使うことで、滑り止め効果が高まり、スプール上でPEラインが食い込むトラブルも防ぎやすくなります。
ただし、あまりに太すぎるナイロンラインを使うと、スプール上の段差が大きくなり、キャスト時に違和感が出たり、ラインが引っかかる原因になることもあります。あくまで目安として、PEラインより1〜2号上の太さを基準に選ぶとよいでしょう。
どのくらいの長さを巻けばいい?
下巻きの長さはリールのスプール形状や、巻きたいPEラインの量によって変わりますが、おおよそスプールの1/3〜1/2程度を目安にするとよいでしょう。
具体的な下巻きの長さを決めるには、以下の手順が簡単です。
- まず、巻きたいPEラインをリールに巻いてみる
- スプールのエッジから5mm〜7mmほど内側にPEラインの上面がくるように調整する
- そのときに巻かれているPEラインの下にくる分だけが下巻きの長さになる
この調整のために、最初にPEラインを仮巻きして長さを計測してから、一度巻き戻して下巻きを施すという方法が確実です。
下巻きナイロンとPEラインの正しい結び方
下巻きとPEラインを結束するときの結び方によって、強度や使い勝手が大きく変わります。ここでは代表的な2つの結び方を紹介します。
電車結び
電車結びは、下巻きとPEラインをユニノット(片結び)で互いに締め付ける非常にシンプルな結び方です。
メリット
- 結び方が簡単で初心者でも覚えやすい
- 素早く結べるため、時合いを逃したくない場面でも使いやすい
- 異素材(ナイロンとPE)の結束に適している
デメリット
- 他の結び方に比べると強度が出にくい傾向がある
- 太いライン同士の結束では結び目が大きくなることがある
電車結びは手軽さが魅力ですが、大物を狙う釣りや、下巻き部分までラインが出る可能性がある場合は強度面で注意が必要です。
ブラッドノット
ブラッドノットは、2本のラインを互いに編み込むように結ぶ方法です。ライン同士が密着するため、比較的高い強度が得られます。
メリット
- 電車結びより強度が高い
- 結び目が比較的小さく、スプールへの収まりがよい
デメリット
- 結び方がやや複雑で、練習が必要
- 素早く結ぶのが難しい
ブラッドノットは、ショアジギングやオフショアなど、大物とのファイトが想定されるシーンに向いています。強度を重視する場合は、こちらを選ぶとよいでしょう。
なお、どちらの結び方を選ぶにしても、結束後は必ずラインをしっかりと引っ張って締め直し、余分なラインの端をカットすることを忘れないでください。
下巻きの手順:簡単3ステップ
ここからは、実際にPEラインの下巻きを行う手順を解説します。
ステップ1:下巻き用のナイロンをリールに巻く
まず、リールのスプールに下巻き用のナイロンラインを巻きます。このとき、スプールにラインが均等に巻かれるように、テンションをかけながらゆっくりと巻くのがポイントです。
ステップ2:下巻きとPEラインを結束する
下巻きが終わったら、ナイロンラインの端とPEラインの端を結びます。先ほど紹介した電車結びやブラッドノットを使ってしっかりと結束させましょう。このとき、結び目がスプールのエッジに引っかからないように、結び目をスプールの奥側に配置するのがコツです。
ステップ3:PEラインを本巻きする
結束が完了したら、PEラインをスプールに巻いていきます。ここでも均一なテンションを保ちながら、スプールいっぱいに巻きすぎないように注意してください。スプールのエッジからラインの上面が少し内側に収まる程度がベストです。
PEライン下巻きでよくあるトラブルと対策
結び目がキャスト時に引っかかる
下巻きとPEラインの結び目が大きくてスプールエッジに引っかかると、キャスト時に飛距離が落ちたり、最悪の場合はラインが切れることもあります。
対策
- 結び目をできるだけ小さく仕上げる
- 結び目がスプールの奥側にくるように調整する
- 結び目を巻きテープなどで覆って段差をなくす方法もある
PEラインが下巻きに食い込む
PEラインが下巻きのナイロンに食い込むと、ラインの放出がスムーズでなくなり、キャストトラブルの原因になります。
対策
- 下巻きのナイロンをPEラインより太め(1〜2号上)にする
- 下巻きをスプールに均一に巻く
- 下巻きの巻き量が多すぎないように調整する
ライン滑りが発生する
下巻きをしてもライン滑りが発生する場合があります。これは下巻きのナイロンが細すぎたり、表面がツルツルしている場合に起こりやすいです。
対策
- 下巻きのナイロンを太めの号数にする
- 新品のナイロンラインを使う(古いナイロンは表面が劣化して滑りやすくなることがある)
- 下巻きの最後にテープや糸で固定する方法もある
PEライン下巻きに関するよくある疑問
下巻きは絶対に必要なの?
必ずしも必須ではありませんが、PEラインの特性を考えると推奨される方法です。特に大物を狙う釣りや、キャスト飛距離を重視するシーンでは、下巻きをすることでトラブルを大幅に減らせます。
フロロカーボンではダメなの?
フロロカーボンでも下巻きは可能です。ただし、ナイロンよりも価格が高く、比重が重いためリール全体のバランスに影響を与えることがあります。コストと特性を考えると、下巻きにはナイロンが選ばれることが多いです。
ナイロンの下巻きはどのくらいで交換する?
ナイロンラインは吸水により経年劣化しやすい素材です。下巻きは直接目に見える部分ではありませんが、PEラインの巻き替え時には一緒に交換するのがおすすめです。特に1年以上経過している場合は、新品に交換することで滑り止め効果を維持できます。
まとめ:PEラインの下巻きにはナイロンが最適な理由
PEラインの下巻きにナイロンを使う理由は、滑り止め効果と糸巻き量の調整にあります。ナイロンラインはコストが安く、PEラインとの相性も良く、適度な摩擦でライン滑りを防いでくれます。
下巻きを行う際は、メインのPEラインより1〜2号太いナイロンラインを選び、電車結びやブラッドノットでしっかりと結束しましょう。スプールのエッジに結び目が引っかからないように注意しながら、正しい手順で巻くことがトラブル防止のポイントです。
PEラインの性能を最大限に引き出すためにも、下巻きの重要性を理解して、快適な釣りライフを楽しんでください。

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