釣り具店でリールを買ったときや、新しくラインを巻き替えようとしたときに「下巻きって何号を使えばいいんだろう?」と迷ったことはありませんか?
PEラインを使うときの下巻きは、飛距離やトラブルの有無に大きく影響する大切な作業です。
でも、「メインラインと同じ号数がいい」「いや、太い方がいい」「細い方がいい」と、情報がバラバラで困ってしまいますよね。
この記事では、PEラインの下巻きに使うべき適切な号数と太さの選び方を、現在の釣りシーンでスタンダードとされている考え方をもとに解説します。
正しい知識を身につけて、気持ちよくキャストできるリールに仕上げましょう。
PEラインの下巻きとは?なぜ必要なの?
まず、下巻きがそもそも何をするものなのか、簡単におさらいしておきましょう。
下巻きとは、スピニングリールのスプールにメインのPEラインを巻く前に、あらかじめスプールの底に巻いておく「下地」のラインのことです。
PEラインは高価なものが多いため、リールのスプールをすべてPEラインで埋めてしまうとコストがかかりすぎます。
そこで、釣りに使わない部分は安価なナイロンラインなどで埋めておき、その上から必要な分だけPEラインを巻くのです。
これには、次のようなメリットがあります。
- 経済的:高価なPEラインを無駄なく使えます。
- スプールへの滑り止め:ナイロンラインはPEラインに比べてスプールに密着しやすく、ラインがスプール上で滑ってしまうトラブルを防ぎます。
- 飛距離の安定:スプールの糸巻き量を適切に調整することで、キャスト時の糸切れ抵抗が最適化され、安定した飛距離が得られます。
つまり、下巻きは単なる「詰め物」ではなく、リールの性能を最大限に引き出すための重要なセッティングなのです。
PEラインの下巻きに適切な号数は?
では、本題の「下巻きには何号を使えばいいのか」について、結論からお伝えします。
現在のスタンダードな考え方は、下巻きには「メインのPEラインと同じ号数」か、「それより少し細い号数」のナイロンラインを使うことです。
具体的には、以下のような選び方が基本になります。
- メインラインと同じ号数:最も無難で、トラブルが起きにくい選択です。
- メインラインより1~2号ほど細い号数:特に細いPEライン(0.2~0.6号など)を使うライトゲームでおすすめです。
例えば、メインラインにPE 1.0号を使うなら、下巻きにはナイロン 0.8号~1.0号を選ぶのが適切だと言えます。
なぜこのような選び方が推奨されているのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
なぜ「同じか細い号数」が推奨されるのか?
この選び方の根拠は、PEラインの「食い込み」を防ぐためです。
PEラインは非常に細くて柔らかいため、下巻きに太いナイロンラインを使うと、PEラインがその太いラインの間に食い込んでしまうことがあります。
この食い込みが発生すると、キャストしたときにラインがスムーズに放出されず、糸噛みやバックラッシュ(トラブル)の原因になります。
特に細いPEラインを使うほど、このリスクは高まります。
そのため、現在では「下巻きは太すぎてはいけない」というのが、多くの釣具店員やベテランアングラーの共通認識です。
「太い下巻きで効率的に底上げしよう」という考え方は、現在では古い情報として扱われています。
メインラインと同じ号数の場合の特徴
特徴:メインのPEラインと同じ号数のナイロンラインを使います。
メリット:
- 食い込みのリスクが最も低いです。
- 均一な巻き上がりになりやすく、初心者でも扱いやすいです。
デメリット:特にありません。コスト面でも最もおすすめできる選択肢です。
向いている人:これから初めて下巻きを行う方、または確実にトラブルを避けたい全てのアングラーにおすすめです。
メインラインより細い号数の場合の特徴
特徴:メインのPEラインより1~2号ほど細いナイロンラインを使います。
メリット:
- スプールの溝の深さを微調整しやすく、より精密な下巻きが可能です。
- 特に細いPEラインの食い込みをより確実に防げます。
デメリット:同じ号数の場合と比べて、下巻きの必要量が増えるため、使用するラインの総延長が長くなります。
向いている人:アジングやメバリングなど、特に細いPEライン(0.2号~0.6号)を使用するライトゲームアングラーにおすすめです。
一例として、2000番クラスのリールにPE 0.2~0.3号を巻く場合、下巻きにナイロン0.8号を約50m使うという実例があります。
絶対に避けるべき太さ
逆に、絶対に避けるべきなのは、メインラインより明らかに太い下巻き(例:PE 1.0号に対してナイロン 3号など)です。
先述した「食い込み」のリスクが非常に高く、せっかくの高価なPEラインも台無しになってしまいます。
一部の古い情報や個人のブログでは「太い方が効率的」と書かれていることがありますが、現在はトラブルを招く方法として認識されていますので、絶対に真似しないでください。
PEラインの下巻きに適した素材は?
下巻きに使うラインの素材も、重要なポイントです。
多くの専門メディアや現役の釣具店員は、下巻きには安価なナイロンラインを推奨しています。
その理由は、以下の通りです。
- コストパフォーマンスが抜群:PEラインに比べて圧倒的に安価です。下巻き部分は釣りに使わないため、高価なラインを使う必要がありません。
- スプールへの密着性が高い:ナイロンラインはPEラインよりもスプールに密着しやすく、ライン滑りのトラブルを防ぎます。
- しなやかで巻きやすい:柔らかく、スプールに均一に巻きやすい素材です。
一方で、下巻きにPEラインを使う必要は基本的にありません。
PEラインは高価で、滑り止め効果もナイロンに劣るため、コストと機能の面から見てメリットがほとんどないからです。
「手持ちの余ったPEラインがあるから」という場合を除き、あえてPEラインを下巻きに選ぶ必要はないでしょう。
下巻きの正しい量はどうやって決める?
下巻きの太さが決まったら、次は「どのくらいの量を巻けばいいのか」という問題です。
下巻きの量は、「リールの総糸巻き量」から「巻きたいPEラインの量」を引いた残りの部分が基準になります。
正確な量を知るためには、以下の方法が有効です。
シマノ公式の糸巻量計算ツールを使う
釣り具メーカーのシマノが公式に提供している「糸巻量計算ツール」が、最も信頼できる方法です。
このツールを使えば、お使いのリールの型式や巻きたいPEラインの号数・長さを入力するだけで、必要な下巻き量を自動計算してくれます。
メーカー公式のデータに基づいているため、正確な目安を知ることができます。
計算式で自分で算出する
計算式を使う場合は、以下のように考えます。
(リールの総糸巻き量)-(巻きたいPEラインの量)= 下巻き量
例えば、あるリールの公式スペックで「ナイロン2号を200m巻ける」と書いてあったとします。
そこにPE 1.0号を100m巻きたい場合、下巻きにはナイロン1.0号を(PEの太さに換算した上で)約100m分巻けばいい、という計算になります。
ただし、この計算はあくまで目安です。実際の巻き量は、ラインのメーカーや編み方(4本編みか8本編みか)、巻くときのテンションなどによって変わるためです。
簡単な巻き方のコツ
正確な量を測るのが面倒な場合は、「一旦全部巻いてから裏返す方法」が簡単でおすすめです。
- まず、メインのPEラインをスプールいっぱいまで巻きます。
- 次に、巻いたPEラインを全て下巻き用のスプールなどに移します。
- 最後に、スプールに巻かれているPEラインの下に下巻き用のナイロンラインを巻き、その上から移したPEラインを再度巻き直します。
この方法なら、メジャーなどを使わなくても、スプールのフチまでピッタリとラインを巻くことができます。
PEラインの下巻きに関するよくある疑問
ここで、下巻きに関するよくある疑問にも答えておきます。
下巻きは何年くらい使える?
下巻きは釣りに使うわけではないため、基本的には長期間使い続けられます。
ただし、ナイロンラインは経年劣化で硬くなることがあります。数年経過した場合は、巻き替え時に新しいものを使うことをおすすめします。
下巻きを巻くときの注意点は?
PEラインを巻くときと同様に、ラインに適度なテンションをかけながら巻くことが重要です。
また、PEラインは摩擦に弱いため、巻くときはラインを水に濡らしながら行うと、摩擦熱によるラインの劣化を防げます。
下巻きは太い方が経済的じゃない?
たしかに、太いラインは同じ重さあたりの長さが短いため、巻き量は少なくて済みます。
しかし、そのためにPEラインが食い込んでトラブルになるリスクを考えると、コスト面だけで判断するのは危険です。
「少しの経済性」と「快適な釣り体験」を天秤にかけたとき、後者を選ぶのが賢明でしょう。
まとめ:PEラインの下巻きは「同じか細い号数」が鉄則
PEラインの下巻きにおける号数の選び方、いかがでしたでしょうか?
改めて、今回の内容をまとめます。
- 下巻きの適切な太さは、「メインのPEラインと同じ号数」か「それより少し細い号数」 です。
- 理由は、太い下巻きによるPEラインの「食い込み」を防ぐためです。
- 素材は、安価で滑り止め効果の高いナイロンラインが最適です。
- 下巻きの量は、シマノ公式の糸巻量計算ツールなどを使って正確に把握しましょう。
下巻きは、一見すると地味な作業ですが、釣りの快適さを大きく左右する重要なセッティングです。
今回ご紹介した「同じか細い号数」という基本ルールを守って、トラブルの少ない、気持ちのいいキャストを楽しんでください。
正しい下巻きで、愛用のリールがさらに活躍することでしょう。

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