釣りから帰ってきて、クーラーボックスを開けた時のあの生臭さ。竿やリールにこびりついた塩の結晶。正直「洗うの面倒だな」って思いませんか。
でも、ちょっと待ってください。その「面倒」を放置すると、お気に入りの釣り道具は確実に寿命が縮んでいきます。海水の塩分は金属をサビさせ、魚の血やエサの有機物は雑菌の温床になって、次に使おうとした時に「なんか臭い…」なんてことになりかねません。
そこで今回は、「いかに手間をかけずに、きっちり汚れを落として道具を長持ちさせるか」にこだわって、釣り道具の正しい洗い方をまとめました。
洗う前に知っておきたい。釣り道具の汚れの正体と基本ルール
まず大前提として、釣り道具に付着する汚れの主な種類は大きく分けて3つあります。
- 海水由来の塩分
- 魚のヌメリや血、エサなどの有機物
- 砂や泥などの無機物
この中で特に厄介なのが、塩分と有機物のコンボです。塩分は水分を吸いやすく、有機物は雑菌のエサになる。この2つが揃うと、道具に臭いが染みついたり、金属パーツがサビたりするスピードが一気に加速します。
だからこそ、釣行後の洗浄で徹底的に落とすべきは、目に見える砂泥だけじゃなく、この「塩分」と「有機物」なんですね。
リールの洗い方。絶対にお湯と洗剤はダメ、が鉄則です
リールは釣り道具の中でも最も精密なパーツ。まず断言しますが、リール本体にお湯や洗剤を使うのは厳禁です。
なぜかというと、お湯は内部のグリスを溶かして流出させ、洗剤は同じくグリスを乳化させてしまうから。これによってギアの動きが渋くなり、異音や巻き心地の低下に直結します。やるべきことはシンプルです。
- 水道の水(常温)を弱い流しっぱなしにする
- リールを水に直接当てるのではなく、手で受けた水で優しく表面を洗う
- スプールを外せる機種は外して、スプール裏の塩分も軽く流す
- 洗い終わったら、柔らかい布で水分を優しく拭き取る
水圧が強いと、ドラグ部分やハンドルノブの隙間から内部に水が侵入するリスクが高まるので注意してください。「少し面倒だな」と思うかもしれませんが、週に一度海に行く人でも、この方法で数年単位で快適に使えています。
乾燥後は、ハンドルノブやラインローラーなど可動部にリール専用オイルをほんの一滴。これだけで巻き心地が驚くほど変わりますよ。
ロッドの洗い方。汚れを浮かせて、擦らない。これが長持ちの秘訣
竿は一見頑丈そうですが、実はとてもデリケート。特にガイド(ラインを通す輪っか)はサビやすく、ここが傷むとラインが傷んでライントラブルの原因になります。
洗うときのポイントは「できるだけ擦らない」こと。ブラシでゴシゴシやると、竿本体のコーティングやガイドに微細な傷がつき、そこが新たな汚れの定着ポイントになってしまいます。
ではどうするか。基本は水洗いですが、頑固な汚れには食器用中性洗剤を薄めた液を含ませた柔らかいスポンジで、優しく撫でるように落としてください。ガイドの足の部分は汚れが溜まりやすいので、ここだけは念入りに。
洗い終わったら、水分を拭き取って陰干し。ここでひとつ、プロも実践する乾燥の裏技をお伝えします。それは「掃除機で竿内部の水を吸い出す」方法です。継ぎ目の反対側から掃除機を当てると、内部の水滴が一気に抜けて乾燥時間が格段に短くなります。特に中通し竿を使っている方はぜひ試してみてください。
乾燥後は、ロッドコーティング剤をガイドやリールシートに塗っておくと、次回の汚れつき防止と撥水効果が期待できます。
クーラーボックスとバッカン。臭いの元を絶つ洗い方
さて、最も手強いのがこのクーラーボックスやバッカン系の臭いです。魚の血やエサのアミノ酸が素材の微細な傷に入り込み、そこで雑菌が繁殖して臭いを発します。普通に洗剤で洗っただけでは、実は臭いの元まで除去できていないことが多いんです。
ここで頼りになるのが、有機物を分解する力に優れた洗剤です。たとえば万能職人のような強力アルカリ洗剤。希釈してスプレーしておけば、有機物を浮かせて落としてくれるので、ゴシゴシ擦る手間が大幅に減ります。
臭いがあまりにも酷い時の最終手段として塩素系洗剤を使う人もいますが、これはあくまで自己責任で。素材を痛める可能性があるので、説明書をよく読み、目立たない場所で試してからにしましょう。
洗浄後は風通しの良い場所で完全に乾かすことが何より重要です。少しでも水分が残っていると、そこからまた雑菌が繁殖して、せっかくの苦労が水の泡になります。
便利グッズも賢く使って、面倒な片付けを少しでも楽に
正直、釣りの後の片付けって、できれば時短したいですよね。そんな時に役立つグッズもいくつかあります。
ルアーを洗った後、乾かす場所に困った経験はありませんか。そんな時にルアーウォッシュハンガーがあると、トレブルフックを引っ掛けて吊るしておけるので、一度にたくさんのルアーを効率よく乾燥できます。
また、イカ釣り師の悩みのタネである墨汚れには、イカ墨落としパウダーのような専用洗剤が頼りになります。一般的な洗剤では落としきれない墨の色素を分解してくれるので、一つ持っておくと安心です。
正しい洗い方で釣り道具をもっと長く楽しもう
釣り道具の洗い方について、リール、ロッド、クーラーボックスと見てきました。共通して言えるのは、「汚れの性質を知り、道具に合った優しい方法で、洗った後はしっかり乾かす」ということに尽きます。
ちょっとした手間をかけるだけで、お気に入りのタックルは何年もあなたの相棒でいてくれます。次の釣行から、ぜひ今回の釣り道具の洗い方を思い出して、道具と長く良い関係を築いてください。

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