新しいリールにPEラインを巻こうと思ったとき、「下巻き」の量ってどうやって決めればいいんだろう……と悩んだことはありませんか?
せっかく高価なPEラインを買ったのに、スプールからはみ出したり、逆に少なすぎて飛距離がイマイチだったりしたら悲しいですよね。
この記事では、下巻き量の計算方法から、計算ツールの正しい使い方、そして「計算通りにいかない」ときの実践的な対処法まで、わかりやすく解説していきます。
PEラインの下巻きってそもそも何のためにするの?
まずは基本からおさらいしておきましょう。
下巻きとは、リールのスプールにPEラインを巻くときに、メインのPEラインの下に別のラインを先に巻いておくことです。
これには大きく分けて2つの目的があります。
1つ目はコスト削減です。
高品質なPEラインは1本数百円〜数千円します。スプールの容量いっぱいにすべてPEラインを巻こうとすると、かなりの長さが必要になります。でも、実際に使うのは先端部分だけ。スプールの奥の方にまで高価なPEラインを巻くのはもったいないですよね。
そこで、スプールの奥側には安価なナイロンラインなどを巻いておき、その上から必要な長さのPEラインだけを巻くことで、コストを大幅に抑えられるというわけです。
2つ目はスプールへの適切なフィット感の確保です。
スプールには「糸巻量」という基準が設定されていて、適切な量のラインが巻かれていることが性能を引き出す条件のひとつになります。下巻きを使ってスプールの容量を埋めることで、ラインの滑り出しがスムーズになり、キャスト時の飛距離アップやトラブル防止にもつながります。
つまり、下巻きは「お金を節約しながら、リールの性能を最大限に引き出す」ための重要なテクニックなんです。
計算ツールで下巻き量を出してみよう
では、具体的にどれだけ下巻きを巻けばいいのか。ここで登場するのが「下巻き計算ツール」です。
実は、メーカーや専門サイトが無料で使える計算ツールを公開しています。代表的なものを2つ紹介します。
シマノ公式の糸巻量計算ツール
まず押さえておきたいのが、シマノフィッシングサービスが提供している公式の計算ツールです。
リールのカタログに記載されている「糸巻量」の数値と、使用するラインの種類・号数・巻きたい長さを入力するだけで、必要な下巻き量を自動で計算してくれます。
公式が提供しているツールなので、シマノ製リールを使っている場合は特に頼りになる存在です。
ただし、公式サイトにも明記されているように、ここで出る数値はあくまで目安です。実際の巻き方やラインの個体差で結果は変わってきます。「これで完璧!」と思い込まずに、参考値として使うのが正しいスタンスでしょう。
ルアーバンクの下巻き量計算ツール
もうひとつ、釣り専門メディア「ルアーバンク」が提供している計算ツールも便利です。
こちらはシマノ以外のメーカーのリールにも対応しやすいのが特徴。スプールの総巻糸量に加えて、巻きたいラインの太さと長さ、下巻きラインの太さを入力して計算できます。
また、ログインすればハンドル回転数からの算出も可能で、より実践的な使い方ができるようになっています。
ただ、こちらも「計算結果は参考値」というスタンス。PEラインはメーカーによって同じ号数でも直径が異なるため、数値通りにならないこともあると明記されています。
計算だけに頼るのは危険?その理由を解説
ここまで計算ツールを2つ紹介しましたが、実は「計算ツールを使えばそれでOK」という話ではありません。
なぜなら、計算通りに巻けることはむしろ稀だからです。
その理由はいくつかあります。
① PEラインの太さはメーカーによってバラバラ
同じ「1号」という表記でも、メーカーや製品によって実際の直径は異なります。4本編みと8本編みでも変わってきますし、同じメーカーでも製品シリーズによって違うことがあります。
計算ツールはあくまで「公称値」をもとに計算していますが、実測値とはズレが生じるのが普通です。
② 巻くときのテンションで変わる
リールにラインを巻くときの力加減(テンション)によって、スプールに収まるラインの量は変わります。キツく巻けば多く入りますし、ゆるく巻けば少なくなります。
計算ツールはテンションの影響を考慮できないので、ここでも誤差が生じます。
③ ラインの伸びやなじみ
ラインは使っているうちに少し伸びたり、スプールに馴染んだりします。新品の状態でピッタリでも、使い込むうちに緩んでくることもあります。
つまり、計算は「理想値」を示してくれるけど、実際の現場ではさまざまな要因でズレる。そういう認識を持っておくことが大切です。
下巻き計算でよくある失敗とその対策
計算ツールを使ったものの、実際に巻いてみたらこんな失敗をした……という声は少なくありません。
失敗① 下巻きが多すぎてPEラインがはみ出した
これは結構よくあるパターンです。計算より多く巻いてしまい、スプールのフチからラインがはみ出してしまうと、キャスト時のトラブルにつながります。
対策:計算結果を参考にしつつ、余裕をもって巻くこと。特に最初のうちは「少し少なめ」に巻いて、様子を見ながら調整するのが安全です。
失敗② 下巻きが少なすぎてスプールに隙間ができた
逆に、下巻きが足りないとPEラインがスプールの奥の方に沈んでしまい、スプールのフチまでラインが届かない状態になります。これも飛距離低下の原因になります。
対策:こちらも計算結果をベースに、足りなさそうなら追加で巻く。一度巻いてみてから調整するのが確実です。
失敗③ 下巻きラインがメインラインより太かった
下巻きに使うラインがメインのPEラインより太いと、段差ができて糸噛みの原因になります。ライン同士の摩擦でトラブルが起きやすくなるので注意が必要です。
対策:下巻きにはメインラインと同程度か、少し細めのナイロンラインを選ぶのがセオリーです。
計算が面倒な人へ。確実にピッタリ巻く「移し替え方式」
「計算ツールを使っても誤差が出るなら、もう計算なんてやめてしまおう」
そう考えた人には、ライン移し替え方式という方法がおすすめです。
これは計算を一切使わずに、確実にスプールピッタリにラインを巻く方法です。
手順はこんな感じです。
- まず、リールに直接PEラインを巻きたいだけ巻きます(下巻きなし)
- そのまま別のスプールやリサイクラーにPEラインを移し替えます
- 次に、空になったリールのスプールに下巻き用のナイロンラインを巻いていきます
- ナイロンラインをスプールのフチまで巻き終えたら、いったんすべて抜き取ります
- 最後に、最初に移し替えておいたPEラインを巻き、その上から下巻き用のナイロンラインを巻きます
……これだけだとちょっと複雑ですよね。
要は「PEラインを巻く位置を入れ替える」ことで、最終的にスプール容量に対してちょうどいい状態を作り出す方法です。
この方法の最大のメリットは、計算が一切不要で、物理的にピッタリに巻けることです。
デメリットは作業が少し手間に感じること。でも、一度やればコツをつかめますし、高速リサイクラーなどの工具を使えば作業時間もぐっと短縮できます。
下巻きラインは何を選べばいい?
下巻きに使うラインは、基本的にナイロンラインがおすすめです。
理由はシンプルで、安価だから。下巻き部分はほとんど使うことがないので、コスパを重視するのが正解です。
選ぶときのポイントは次のとおりです。
- メインのPEラインと同じ号数か、少し細めを選ぶ
- フロロカーボンよりナイロンのほうが安くて扱いやすい
- あまり安すぎると劣化が早いので、ある程度の品質は確保する
メインのPEラインが1.5号なら、下巻きも1.5号か1.2号くらいが目安です。
よくある質問
Q. 計算ツールの結果と実際の巻き量がズレるのはなぜ?
先ほども触れた通り、PEラインのメーカーによる直径の違いや、巻くときのテンションの違いが主な原因です。また、リールの糸巻量自体も「目安」であることが多く、実測とは異なることがあります。
Q. 下巻きが少なすぎるとどうなる?
スプールのフチまでラインが届かず、キャスト時の飛距離が落ちたり、ラインがスプールの縁に引っかかってトラブルになることがあります。
Q. 下巻きが多すぎるとどうなる?
ラインがスプールからはみ出して、キャスト時にバックラッシュを起こしやすくなります。最悪の場合、ラインが切れたりリールを傷めたりすることも。
Q. 下巻きは何回も巻き直すべき?
基本的には、メインのPEラインを交換するタイミングで一緒に下巻きも交換するのがおすすめです。下巻きラインは経年劣化するので、長期間そのままにしておくのは避けましょう。
まとめ:計算はあくまで目安。状況に合わせて調整しよう
PEラインの下巻き量を計算するツールは、あくまで「スタート地点」を教えてくれる便利な道具です。
大事なのは、計算結果を絶対視せず、「これは目安なんだ」というスタンスで臨むこと。
実際に巻いてみて、足りなければ足す。多ければ巻き直す。その繰り返しで、自分なりのベストな巻き方が見つかっていきます。
もし計算が面倒だったり、どうしてもピッタリ巻きたいという場合は、ライン移し替え方式を試してみてください。手間はかかりますが、計算誤差に悩む必要がなくなりますよ。
どちらの方法にしても、大切なのは「適切な量を巻くこと」と「そのための調整を惜しまないこと」です。
次にリールにラインを巻くときは、ぜひこの記事の内容を思い出しながら、自分に合った方法でチャレンジしてみてくださいね。

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